沖縄の風土に合わせた現代的な住宅「木の下のマテリアル」

Kiohde Hayai Kiohde Hayai
木の下のマテリアル, Kazuto Nishi Architects Kazuto Nishi Architects 亞洲風玄關、階梯與走廊
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各土地にはその風土に適した建物が建てられてきた。豪雪地域には雪に対応する建物が建てられ、夏の暑さが厳しい地域には暑さを和らげる建物が建てられていた。しかし現代化が進むにつれて、こうした土地に合わせた建物も失われつつある。おそらく、その例外となる場所はないだろう。そこで取り上げたいのは沖縄で建てられた家「木の下のマテリアル」。それは現代的でありながらも、土地の風土を意識したものとなっている。

沖縄の風土に合わせた建物

沖縄県の住宅街の中に現代的な2階建ての家が見える。その外壁は白色にまとめられており、沖縄の青空の下で美しく輝いている。外観の特徴となっているのは、建物2階に取り付けられたベランダ。そして建物1階と2階にある大きな軒。それ以外に建物に目立つものはなく、少し控え目な印象を与える。一見すると現代的に見える住宅を建てたのは建築家、西和人。彼はここで沖縄の風土に合わせた家を実現している。

建物の外観

建物の外観でアクセントとなっているのは大きな軒。それは沖縄で良くみられる建築文化の1つだという。というのも沖縄の夏の陽射しは強烈で、軒を大きくして日光が建物内に射しこむことを防ぐようにしている。これは「雨端文化」と呼ばれるものだが、ここでは理にかなった建築様式として取り入れられている。そのため新しい住宅にも関わらず、それは沖縄の風景に馴染んでいる。

ゆとりある現代的な空間

控え目な印象を与える外観とは異なり、建物内部の空間はとても印象的なものとなっている。建物1階で目に映るのは、打ちっぱなしのコンクリートの壁、木のフローリング、白色に統一された壁や天井。また1階と2階を繋ぐ吹き抜けもあり、開放感のある空間が広がっている。これらは都会的な洗練された住まいを演出してくれる。住人はゆとりある空間の中で、心地よい生活を送ることができるだろう。

素材感を感じられる木の屋根

1階では都会的な空間を感じられるが、吹き抜け越しに2階を見ると、その印象は覆されるだろう。なぜなら建物2階にはコンクリートの壁とは対照的に木で作られた屋根が見えるからだ。2階に上がれば、その印象はさらに強くなる。2階部分は木造となっており、天井や柱、そして床に使われた木が空間を覆う。そこには木の素材感を感じられる暖かい空間が広がっており、木造建築の美しさを十分に感じることができるだろう。

沖縄で失われる木造建築

木の天井は暖かさを持った美しい空間を生み出すが、その雰囲気だけが重要ではない。沖縄ではコンクリートの建物が圧倒的に多く、現在では全体の8割を超えているという。それには住まいの現代化だけでなく、沖縄という地域性も大きく関係している。多くの台風は沖縄を通過するため、この地ではコンクリートの建物が多く建てられるようになった。それは同時に木造建築が失われつるあることを意味するのだ。

沖縄らしさを感じられる住まい

今回「木の下のマテリアル」で実現されたのは木の暖かみを感じられる空間。それは沖縄で忘れられつつある空間を体験させてくれることになる。もちろん、それは単なるスタイルだけでない。2階を木で構成することで、強烈な日差しによる屋内の温度上昇を防ぐ。それだけでなく建物内に快適な湿度をもたらしてくれる。これは軒を大きくして直射日光を防ぐことと同様に、実際に機能する伝統的な建築の知恵と言えるだろう。こうして土地の伝統を読み込んだ「木の下のマテリアル」では、沖縄らしさを感じながら生活を送ることができるようになっているのだ。

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