真の日本の住まいをもう一度。自然の中に住むような木の香る木造住宅

K.Matsunaga K.Matsunaga
板倉の家, HAN環境・建築設計事務所 HAN環境・建築設計事務所 客廳 木頭 Wood effect
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建築技術の進化によって、工場生産やプレカットなど、日本の住宅建築は効率化が進み今でもどんどん速度を上げています。工期の短縮や、建材、品質の統一化が図られる一方、日本古来の棟梁による技術や日本伝来の木材を使用した住宅は貴重なものとなりました。しかし住宅の洋風化や近代化が進むにつれ、昔ながらの日本建築の構造や技術が見直されていることも確かです。今回ご紹介するのは、「真の日本の住まい」とテーマとして、素材や日本の風土に合った日本建築の住宅の良さを見直し自然な心地よさを実現した住まいです。HAN環境・建築設計事務所が手がけたこの家はその名のとおり、環境に重点を置きパッシブデザインを積極的に取り入れた、人に優しい家となりました。

住環境がしっかりと考えられたフォルム

外観には金属の素材と、豊かな木材がふんだんに使われています。外部・内部に使用されているこの木材は地産地消を目的とし、東京や関東のものが採用されています。軒や庇を深く設け、室内へ差し込む日光を調整し快適に過ごすことができるような配慮がなされています。玄関の前へ立つだけで木の良い香りが漂ってきそうな佇まいは、年月を重ねると共に飴色に変化し味わいを増していくことでしょう。

無垢材がふんだんに使われたリビング

床、壁、天井と内装にも惜しみなく無垢材が使用され、森の中にいるような感覚になる空間はみるみる空気が澄んでいくようです。リビング中央にはダイナミックに吹き抜けが配置され、2階からの光が優しくリビングスペースを包み込みます。中央には薪ストーブが配置され、冬には木の香りがあふれる空間で炎を眺めながら心地の良い時間を過ごすことができるでしょう。広々としたスペースですが、その周りには自然と人が集う場所になりそうです。

暮らしをより豊かにする土間スペース

リビングの窓側には、土間が設けられています。この土間のタイルは土が素材のものが採用されており、土はその素材の特徴から蓄熱機能が期待されます。タイルや土間は「冷たい」「固い」というイメージも抱かれがちですが、土素材のものを使うこと、また直接日光があたりやすい窓側に設けられることで日光のクッションとなります。そうすることで前面無垢材の場合の、窓と対角側にある日の届かない場所と、常に日を浴びる窓側との温度差や乾燥ムラを和らげることができるでしょう。また広縁のようなそのスペースは外部と内部の間のような空間となり、ときには外部としての役割、ときには室内の一部として、さまざまな用途で使うことができ暮らし方の豊かさも広がることでしょう。

宿舎のような雰囲気が印象的な2階

二階部分もほぼすべての内装に無垢材が使用されています。まるで「自然の中にいるような」空間がそのまま住まいの形になったことで、学校の合宿をするときの宿舎のようなどこか懐かしい雰囲気が漂います。無垢材は工場で作られる建材とは違い、部位や水分量、それ自体が呼吸をする材料のため、性格や表情を見ながら施工する棟梁の手腕も期待されます。季節や状態によっても一つとして同じものがないことから、木目や節の味わいはまさにこの家のために選ばれたもの。手のひらや足で触れ、肌触りを存分に感じたくなります。

光と風をコントロールする深い軒のあるベランダ

2階ベランダはしっかりと深く軒が設けられ、夏季の日射を遮蔽してくれる役割を担います。窓を開けると心地の良い風が室内へと導かれ、家中をさわやかな風が巡ることでしょう。十分な風通しや排熱の工夫をすることで、エアコンに頼らず健やかな暮らしができるというのもこの住まいの特徴でもあります。素材や間取りの工夫だけではなく、住環境を左右する光や風の部分まで、この家では十分に設計されています。日本の気候や地理的な環境を味方に付け、あくまでも自然と共に生きるような心地の良さを追求していることをじっくりと感じることができます。

いつも気持ちのよい空気が保たれる洗面所

浴室や洗面所でも、無垢材をたっぷりと感じることができます。木材は調湿効果、熱伝導の低さがあるので、湿度の高い夏や、湿気がたまりやすい空間にも最適な材料です。また洗濯物を干す場所としてもその効果を発揮してくれるでしょう。手で触れてもほんのりとした暖かさがあり、冬暖かく夏は涼しい心地よさを肌で感じながら暮らすことになるのではないでしょうか。また、住宅設備の中でも耐久年数が短くなる傾向にある浴室を下屋の部分に設置することで、将来的なメンテナンスのことも十分に考慮されています。末永く手入れをしながら味を深めていくことのできるこの家は、日本の木の家や技術、自然環境の心地よさを思い出させる家となりました。

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