異なる世代が同居する室内のような中庭がある家

現代 by プラスアトリエ一級建築士事務所, 現代風
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最近家づくりにおいて中庭を希望する人が増えてきました。特に都市部においては狭小地や密集地だからこそプライベートな外部空間が欲しいですよね。今回ご紹介する住宅は密集地ではなくニュータウン内にある比較的周囲と距離感のある恵まれた立地に計画された多世帯住居。そんな周辺環境の中でプライバシーを重視した中庭空間のある住まい、庭や家族の共有空間を中心に見ていきましょう。

抜け感のある閉じた外観

手がけたのはプラスアトリエ一級建築士事務所。建物は外に対して閉じながらも道路からさりげなく庭の気配を感じられるようなデザインを採用。セットバックした建物は道路面より数段上がっており、四方を壁で囲っているために完全に外部からの視線を遮ぎっています。上部は斜めにカットされ、さりげなく庭の気配を感じられるように配慮。こうすることで 街並に対する閉塞感を和らげ、同時に住宅にも抜け感をもたらしています。

やさしく出迎えてくれるアプローチ

敷地の前面に数台分の駐車スペースを確保し、玄関アプローチは選び抜かれた植物で丁寧に作庭されています。四季折々の姿を見せてくれる植栽と回り込むようなアプローチが優しく出迎えてくれます。奥の白い壁とのズレが軽やかさを生む外観。ライトグレーのフラットなファサードに自然な色合いの木のドアがぴったりですね。実はこのドア、玄関ではなく門扉なんです。

中庭を通って入る玄関

門扉を入るとそこは都会のサンクチュアリのような中庭空間。そのまま真っ直ぐ進むとメインの玄関です。洗い出しの仕上げのアプローチから続く三和土は内外の一体感を強調。さらに砂利や石のタイルを敷くことで和を感じさせる中庭空間を形成しています。「テラスと中庭のあるラグジュアリーな住宅」も中庭を通って住宅内に入るプランを採用しています。是非ご覧くださいね。

豊かな時間を過ごる中庭空間

実は中庭には打ち放しコンクリート製の屋外キッチンを設置しているんです。クライアントが魚をさばくための本格的なキッチンでもちろんBBQなども楽しめるので、中庭で過ごす時間が増えそうですよね。シンボルツリーであるサルスベリの木が気持ちの良い日影を作り、家の中から眺める風景も格別です。玄関ポーチ周りには木板を縦に貼った壁とルーバーを組み合わせ、のっぺりとなりがちな塗り壁に温かみのある雰囲気を加えています。2階の外壁にも一部木板張りを採用。

ディテールの美しい内部空間

門扉を設けているので 玄関は格子戸。中庭に面した壁にも開口を設けているので大変明るい玄関口になっています。玄関ホールを進みLDK空間へ。テレビが置かれた腰壁の背後にはディテールと素材が際立つオープンな階段が配置されています。ナチュラルな質感の木をふんだんに使った温かみのあるタイムレスなデザインはどんな世代の方にも合い、なおかつ経年変化が楽しめるのがいいですよね。

中庭と繋がるLDK

一体型のLDKには中庭に面して床から天井までの大きな開口を配置。明快かつ無駄のない動線で構成される室内は多世帯同居では重要になってきます。お互いに程よい距離感を持ちながら一緒に暮らす楽しみを実感できるようなプランが望ましいですよね。この住まいは中庭を「室内化」することを意識して計画されています。場合によっては中庭はリビング、子ども部屋、キッチンなどになるような位置づけにあり、実際居室のどこにいても気配を感じられ様子を眺められるプライベートな中庭になっているんです。室内に沿ってぐるっと配置したテラスとはフラットに繋がり、内外空間が融合するようなデザインが印象的です。

様々な世代が使うゆったりとしたキッチン

大型のキッチンはアイランド型を採用。家具を始め、全体をシックな色合いでまとめた大人の雰囲気のLDKです。キッチン上部に設けた化粧天井には間接照明を設置し、暗くなれば柔らかな光で空間を演出。落ち着いたムードのある空間をつくるダウンライトを中心とした照明計画も参考になりそうですね。

心に残るワンシーンを見せてくれる住まい

季節ごとに様々な表情を見せてくれる自然を程よく取り入れたこの住まいは、比較的高い壁によって外部環境を遮断していますが、それによって家族が心地良く暮らせる住空間を最大限に作り上げています。様々な世代の家族が一緒に暮らす中で必要な住性能や快適性、何よりも心を豊かにしてくれるシーンや家族が一緒に楽しめるアクティビティが可能な住まいって大事ですよね。

【中庭については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 中庭のある家に住む5つのメリット

※ 知っておきたい中庭の6つのポイント!  

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