線路沿いの三角敷地に立つ店舗兼二世帯住宅

Michi Koba Michi Koba
酒楽和華 清乃, 仲摩邦彦建築設計事務所 / Nakama Kunihiko Architects 仲摩邦彦建築設計事務所 / Nakama Kunihiko Architects 露臺
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今回ご紹介する仲摩邦彦建築設計事務所が手掛けたこちらは、線路沿いの細長い三角敷地に建つ店舗兼二世帯住宅。決して広いとは言えない敷地、しかも変形敷地において多くの機能を有する建物を完成させるのは容易ではないことです。しかし、厳しい条件の下でも建築家のセンスとさまざまな工夫によってクライアントの生活を豊かにする魅力的な住まいを実現させています。では詳しく見て行きましょう。

​厳しい条件下での豊かな空間づくり

敷地は、奥に向かって細長い、鋭角三角形の変形敷地。さらに北側には線路があるため、騒音や振動の問題もあります。北側斜線等法的な制限も厳しい立地です。そんな様々な制約がある中での広々とした空間確保に尽力がなされました。まず、電車の騒音や振動からの影響を抑えるため重たい鉄筋コンクリート造が採用されました。そして狭小、変形敷地の中で少しでも広さを確保するため壁を薄くできるコンクリート打ち放しでの仕上げとなっています。ただ店舗と住宅という上下で機能の異なる空間であることの表出を考え、店舗部分には木目が転写されたどこか温かみのあるざらついた仕上げが施され、2,3階の住宅部分は汚れが付きにくい光触媒の塗料で純白に塗られています。真っ白の外壁は遠くから見ても目に留まりやすく、お店の看板のような役目も果たしています。

​二つの正面

最初の写真は店舗の入り口がある側、こちらは二世帯住宅の正面となっています。店舗の正面、二世帯住宅の正面を別の方向に設定して、住宅の生活感が店舗側に出ないよう工夫されています。大きな開口からは明るい居住空間が想起されますね。

​木のぬくもりを感じられる店

一階店舗内の様子です。入口から奥まで見通せるようになっており、さらに突き当たりは屋外に向かって視線が抜けるように計画されています。これによって視線がより奥に広がり外部空間も取り込んで、室内空間をより広く感じることができます。また印象的な木の壁は、コンクリートの外壁とコントラストをなすとともに、手作りを信条としているお店の温かみを表現しています。奥にある屋外テラスも木の壁で囲われて室内との一体感を感じることができます。壁や天井の隙間からこぼれる光が印象的です。

​フレキシブルな空間構成

住宅部分は三角敷地の生み出す独特の遠近感によって空間が広く感じられる効果を狙い、基本的にはオープンなワンルームとしています。ただ時間や状況に合わせた空間の使い方ができるよう、ところどころ引戸によって空間を仕切ることができるようになっています。さらに天井の形状、そこに設置された照明のもたらす光の加減によっても微妙なゾーニングが図られています。

​斜めの壁が空間のアクセントに

北側斜線制限のために斜めになっている壁は空間に変化をもたらし、それを面白みのあるものにしています。斜壁の先、上部に設置されたハイサイド窓は効果的に光を取り込むと同時に、最上階にこもりやすい熱を逃す役目も果たしています。

​寝転ぶこともできる出窓

先が細い三角敷地のため奥に行くにしたがってどうしても空間が窮屈になってしまいます。その問題を解決するために建築家が取り入れたのが大きな出窓です。出窓は法律上床面積に算入されず、またその長さにも制限がないため、この住まいではなんと10mもの長さの出窓が採用されています。面積にすると4畳半近く、小さな部屋一つ分にもなります。その高さは椅子と同じくらいに設定され、ベンチとして使用することもできます。狭い室内ではなるべく家具を減らしたいもの。嬉しい配慮ですよね。またベッド代わりにできるほどの幅もあり、窓際に寝転んでくつろぐこともできます。

​広々としたルーフテラス

より広い屋内空間を確保するため、庭やバルコニーをもうけるスペースの余裕はありませんでした。しかし屋上には広い屋外空間が実現しています。このルーフテラスは近隣の建物より一回り高い位置にあるため眺めも良く、また周囲の視線を気にすることなく過ごすことのできる空間です。

【二世帯住宅については、こちらの記事でも紹介しています】

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