約30度の急斜面に建つ、軽井沢の森に包まれた家

K.Matsunaga K.Matsunaga
大きな栗の木の下の家, 鎌田建築設計室 鎌田建築設計室 房子
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住宅を建築する際に、誰もが心地よさを感じる土地を選びたいと思うでしょう。立地の便利さを引き換えに、都市部においては住宅がひしめき、プライベートの確保や通勤への渋滞などがしばしば問題に挙げられます。日本では、国土に対する森林や山の割合が多く、街や建築に適する平面の地が少ないため、年々ゆとりをもって新築ができる土地が減りつつあることはこれからの課題となるべき事項かもしれません。今回ご紹介するのは、緑豊かな山の中。約30度の急斜面に建つ住宅です。鎌田建築設計室は山の斜面であるという悪条件を見事にクリアさせ、豊かな木立の中にある環境を取り込んだ住宅を提案しました。

歩くのも困難な山の斜面に建つ外観

この家が建つのは、軽井沢の別荘地にある山の斜面です。約30度の急傾斜、歩くのも困難なほどの敷地状況でした。しかし周囲は自然の豊かな木立があり、鳥のさえずりや木漏れ日が心地よい環境があります。住まい手の思いは、「傾斜地の悪条件をプラスへ変換し、豊かな自然を室内に取り込みたい」ということ。およそ困難とも言えるこの敷地の問題をクリアさせ、斜面に静かに佇むこの家はまるでツリーハウスを思わせるような大変興味を惹く姿となっています。

森の木立に囲まれたエントランス

斜面に建つ側とは反対側のエントランスの周囲も、豊かに茂った木立に囲まれているのがわかります。まるで「森の中へ帰る」ような感覚へと導かれるように家の中へと入るという、とても恵まれた立地環境です。つくり手は「森へ潜るように」というコンセプトでこの家のテーマを設定し、その外観は自然と調和する木材のラスティックな外観や落ち着いた色合いでまとめられました。

山の自然を取り込んだ室内空間

室内は無垢材を基調に、明るめのシンプルな色合いでまとめられ山の自然の中にある環境が十分に生かされたインテリアです。素材を肌で感じながら、外の緑がダイナミックに目に飛び込んでくる大きな窓からは木漏れ日の光があふれ、森の中で過ごす感覚を体全体で受け止めることができるでしょう。木の幹のような柱を室内にあしらうことで、より森のリアルな雰囲気を感じることができます。夏は木漏れ日の中で、冬は薪ストーブの揺れる炎を眺めながら心地よく過ごし自然に溶け込むような時間を重ねられる空間です。

斜面にあることを感じさせないLDK

別角度から見ると、スキップフロアによって全体の空間が分かれていることがわかります。大きな吹き抜けが全体の空間をつなぎ、外の自然も相まってとても広々とした印象を受けるでしょう。斜面に建築するにあたり、構造的にも検討が重ねられ、限られた空間をどのようにつなぐかを見事に実現した空間はまるで山の森の中に浮いているような感覚さえ覚えます。リビングから伸びるバルコニーとのつながりにより、斜面にある恐怖感を感じさせずゆったりとした空間を生み出しています。

森に包まれるバルコニー

外部の広々としたバルコニーは、この家を支える土台になるとともに、心地よく過ごすための特別なスペースにもなります。外部に面している全ての方向で森を臨むことができ、豊かな木立の緑に包まれるように森林浴ができるでしょう。斜面という立地だからこそ、この浮遊感のあるバルコニーが生まれとても贅沢にこの山の自然を愉しむことができます。木々の葉が触れる音、鳥のさえずり、自然の匂い… とこの環境を全身で感じながら身を預けられる時間はきっとここでしか味わうことのできない特別なものとなるはずです。

スキップフロアで設けられた和室スペース

ときには寝転がりながら、この豊かな自然の景色を愉しみたいと思うこともあるかもしれません。そのようなときにも最適なのがこちらの和室スペースです。スキップフロアによってDKスペースとはレベルの違う場所へ設けられていますが、吹き抜けによって空間を共にし、ゆるやかにつながる居心地の良い雰囲気に仕上がっています。直接外部へつながるバルコニーも設置され、家全体を回遊できる仕組みになっています。思い思いの場所で自然を感じながら豊かな時間を重ねられる、まさにこの敷地だからこそ生まれることができた家となりました。

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