ファサードをデザインする際に押さえておきたいポイント

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
犬と暮らす中庭の家, 藤井伸介建築設計室 藤井伸介建築設計室 現代房屋設計點子、靈感 & 圖片
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ファサードデザインをどのようにするかによって、住まいの外観の印象が決まることはもちろんのこと、外壁面のメンテナンス性や街並みとのつながりといった様々な点において重要な要素となります。そこで今回は、ファサードをデザインする際に押さえておきたいポイントを紹介していきたいと思います。建築家が外観デザインにこだわることは当然ですが、住み手としても外観によって家自体だけでなく、周辺地域に影響することにも興味を持っていきましょう。

ファサードとは

ファサードという言葉をあまり聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんので、まずはその言葉から説明しておきましょう。ファサードとは、フランス語の「façade」に由来する言葉で、もともとは「顔」を意味します。建築においてはそれが建物の顔となりますから、つまりは建物の外観のことになります。住み手としては、住み心地に直結するインテリアにより家づくりの重点が置かれると思いますが、是非家の顔となるファサードデザインにもこだわってみて下さい。

家の印象を決める立面デザイン

それでは、ここからファサードデザインのポイントについて見ていきましょう。まずは、家の印象を決める立面としてのファサードデザインです。前面道路やアプローチといった家の外から見える建物の外観によって家の印象は大きく変わります。それが室内の住み心地に影響することは少ないかもしれませんが、家に帰って来た時に「我が家」と感じさせてくれるような外観であれば、そこでの暮らしもより豊かなものになってくるはずです。

外観のプロポーション

ファサードをデザインする上で最も重要とも言っていいのが、外観のプロポーションではないでしょうか。プロポーションとは、建物の幅や高さ、奥行きなどの比率のことで、ファサードにおいては建物全体や、屋根などの部分でのバランスを言います。また、外壁に異なる素材が使われていれば、そのプロポーションも大切になってくるでしょう。最も美しいとされるプロポーションが黄金率としてありますが、建築においては周囲との関係も考慮しながら外観のプロポーションを決めていくといいでしょう。

写真:寺下純哉

外壁のメンテナンス性に関わるファサードの素材や形

ファサードデザインによって、家の外観の印象が変わるだけでなく、外壁のメンテナンス性といったことにも影響します。例えば、おしゃれな外観を重視しすぎると、外壁をきれいに掃除しづらい素材を選んだり、あるいは汚れが目立ちやすい色になってしまうこともあるでしょう。また、雨が外壁を流れ落ちることで、その後にそこだけが汚れとして浮き上がってしまうこともあります。そのためには、雨が外壁に当たりにくいようなファサードの形であったり、屋根の種類や大きさを選んでいくことが大切になるでしょう。

▶「住まいの写真」ページでは様々な種類の屋根を紹介しています。◀

※ 屋根の写真ページ

街並みとの調和

ファサードをデザインしていく際には、街並みとの調和についても考えてみて下さい。もちろん奇を衒うような外観デザインにすることもできますが、地域の景観から浮くような住まいとなることに居心地の悪さを感じる方もいらっしゃるでしょう。外観の形態や色はもちろんのこと、敷地周辺の柵や塀、さらには草木によって周囲とつながるような住まいとしてみて下さい。また、塀などを設けず、敷地の一部を道路に対してオープンにすることで、街並みに開放感を与えてみてもいいでしょう。

【柵や塀など生垣については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 生垣で住まいを緑で囲もう!その役割とメリットまとめ

夜間の見え方

最後に忘れてはいけないのが、家の外観の夜間の見え方です。家づくりでは、室内に差し込んでくる太陽の光など、日中のことを中心に考えていくことから、あまり夜の家のことについて考えることは少ないかもしれませんが、ファサードをデザインする際には是非それが夜どのように見えるかについてもきちんと検討しておくといいでしょう。そこで重要となるのがライティングです。こちらの住まいのように、照明を下から照らすアッパーライトという照らし方を取り入れれば、建物の輪郭が浮き上がり、日中とはまた違う住まいの表情をおしゃれにうつし出すことができます。

【ファサードについては、こちらの記事でも紹介しています】

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