床下暖房や塗り壁の外壁などはある程度予算に余裕がないと実現できないと思われている方も多いのではないでしょうか?今回ご紹介する環境創作室杉によるこちらの住まいでは総工費なんと1400万円のローコストでこれらの導入を実現させています。そこで重要だったのは徹底した割り切り発想。本当に必要なものをしっかり見極めることでローコストでも豊かな空間を手に入れることができるのです。
敷地はつくばみらい市にできた新しい街区の一角に位置します。そこに建てられたのは24坪ほどのシンプルでコンパクトな住まい。ローコストで建てられた家ですが決して安っぽい印象は与えません。片流れの屋根を持つシンプルなボリューム、外壁は落ち着いた色の塗り壁で仕上げられ、木を随所に用いたナチュラルで落ち着いた佇まいです。
庭に面した側は一部にガルバリウム鋼板の角波板が貼られシックでモダンな雰囲気に。大きな開口と縁側で、外部空間をとりいれた居心地の良い空間づくりがなされています。
こちらは大きな開口と吹き抜けのある開放的で明るいリビング・ダイニング・キッチンの様子。パインの無垢材を使用した床や、表しにした天井など、木のぬくもりを感じることができるあたたかみのある空間です。さらに循環式床下暖房も設置されているので、寒い冬でも足元からぽかぽかと温まる快適な室内環境を保つことができます。
造作カウンターでインテリアと一体的にデザインされたキッチン。オープンな形式をとっているので家族間でのコミュニケーションも取りやすいですね。後方には庭へ出ることのできる勝手口が設けられており、利便性もバッチリです。
2階の吹き抜けに面した廊下の様子。リズムよく並んだ梁、木目の美しい床など、木に囲まれたとても気持ちの良い空間です。この住まいのクライアントはもともと物が少ないスッキリとした生活をされていたため、造作家具も収納も最低限で済ませることができたそうです。無駄を省いた結果、このようにコンパクトでも広がりを感じられる空間が実現したのです。