マンションやアパートなどの集合住宅は住宅密集地や商業地に建設されることが多く、窓の果たす役割が住まいの快適さを大きく左右します。集合住宅は一戸建て住宅のようにリフォームで窓の大きさを変えることは困難ですから、住まいのなかで窓がどのように機能するかについてもよく知っておきたいですよね。今回は集合住宅の窓の機能を再確認し、機能別にみた適切な窓の大きさを考えてみましょう。
風通しを良くするためには窓が大きければいいと思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。上げ下げ窓やガラスルーバー窓などの縦長の窓は、同じ面積でも正方形に近い引き違い窓に比べて、効率的に換気を行うことができるとされています。
上げ下げ窓は窓の上と下の二ヶ所を開放することができます。外気は片側の開口から流入し、反対側のの開口から出ていくというかたちで換気が行われます。
タワーマンションの高層階の場合、風通しには24時間換気システムがメインに使われています。タワーマンションの窓は大きくつくられていますが、ほとんど開かないか、まったく開かないことが多いからです。
天窓は小さな面積でも光を効果的に取り入れることができます。通常の窓の面積の3分の1の大きさでも建築基準法の採光の基準を満たすので、部屋が狭くて壁面に十分な窓が取れない場合には非常に有効です。
素敵な眺望は、集合住宅ならではの醍醐味ともいえます。リビングルームが公園や海など良い景色の方に向かっていれば、大きな窓の方がよりダイナミックな眺望を楽しむことができます。
隣地の建物が迫っている場合、あまり大きな窓が開いているとプライバシーを保つのが難しくなります。隣地との境界に近い窓は、風通し程度の小さなものだと安心ですね。
窓が大きいということは、それだけ外気からの影響を受けやすいということでもあります。南向きや西向きの窓が大きく取られている場合、季節によっては暑くなりすぎて光熱費がかさむことがあります。
集合住宅の窓の大きさは、その土地の気候とも密接な関連があります。日本は縦に細長い国なので、北は北海道から南は沖縄まで、同じ季節でも気温や湿度にかなりの違いがあります。大雪が降る地域、湿度が特に高い地域、晴れの日が多い地域など、地域の気候の特徴は住宅のつくりや窓の大きさにも反映されます。
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