縁側に呼ばれて

Nami Sasaki Nami Sasaki
Yakisugi House, 長谷川拓也建築デザイン 長谷川拓也建築デザイン 露臺
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郊外の住宅地では、今ではすっかり見かけなくなった縁側。たまに田舎の実家に帰れば、縁側でごろんと日向ぼっこしたり、ご近所さんと世間話に花を咲かせたりと、つくづく「あぁ縁側のある暮らしっていいなぁ」と実感しますよね。縁側には人を引き寄せる不思議な魅力があります。今回は、モダンや洋風でありながらも、縁側を暮らしに上手く取り入れた住宅10選をお届けします。縁側がどのようにして、家族や友人、近隣の人々との繋がりをより強いものにしてくれるのか、見ていきましょう。

外にむかって大きく開く

まず初めにご紹介するのは、道行く人もおっと思わず足を止めてしまいそうな、こちらの住宅。愛知県を中心に活躍するMURASE MITSURU ATELIERが手がけました。道端に接する角が、まるで歩道をそのまま家の中に引き込んでいるかのような、斬新なデザイン。こんな求心力のある縁側で大勢をパーティーをしたら、いつの間にか招待してもない知り合いが増えていたりしそう。もともと縁側が持っていた「人と交流する」という特性を、現代風にアレンジして最大限伸ばした、わいわいと楽しい縁側です。

ドテと繋がるエンガワ

「エンガワとドテの家」と名付けられたこちらの住宅は、WAA ARCHITEKTS 一級建築士事務所によって手がけられました。その名の通り、縁側の前には緑がまぶしい土手が広がります。子どもの遊び場として、また道路からの目隠しとしても土手が大活躍。近所の人たちも、気づけば玄関からではなくて縁側から遊びに来てしまうような、そんな地域に根ざす縁側づくりとなりました。

光を調節する

コの字型の住居スペースの間を埋めるかのように、奥行きを取って設置されたこちらの縁側。手がけたのは、栃木県を中心に活躍する長谷川拓也建築デザイン。ここの縁側の軒にには3つの天窓が取り付けられ、中まで光を通すよう考えられました。もともと縁側は、夏は高度の高い太陽からの光を遮り、冬は低い太陽光を室内まで送り届けるという役目を持っていました。敷地や住環境に合わせて光を調節することは、家を建てる上で大事な要素ですね。

様々な角度から楽しむ

枯山水のデザインを取り入れた日本庭園が美しいこちらの縁側。有限会社TEAM WORKSが京町屋の要素を取り入れた「舞双庵」を設計しました。普通縁側は一方向に取り付けられるため、座るひとの視線を固定していまいがち。ここでは向かい合って2つの縁側を設置することで、多方向から庭を楽しむことが可能となりました

外と内の狭間で

こちらは滋賀を中心に活躍するALTS DESIGN OFFICEが手がけた、縁側のある家。縁側部分にも内部空間と同じ黒色の構造体を用いたり、軒にも室内の天窓と同じパターンで開口を設けることで、外と内の仕切りをことごとく曖昧にし、あくまでも中間領域としての縁側の個性を存分に引き出しました。角地に立つこちらの物件の特性を活かし、道行くひとを引き込む力を持った縁側が誕生しました。

住む者とともに

こちらは20年以上使用されていなかった母屋のリノベーションプロジェクトで、新たに命が吹き込まれた縁側です。手がけたのは、吉田建築計画事務所。廊下の役割も果たすこちらの縁側は、はめ殺しの窓を取り付けることで、開放感はそのままに、冬でも暖かな空間へ。冷たい隙間風に悩まされることはなくなりました。そこに住む人のことを考えて計画された、使い勝手の良い縁側です。

みんなが集う縁側

こちらは一級建築士事務所KENZO ATCHITECTSが手がけた、一世帯6人暮らし+長期滞在のゲストのための、ゲストハウス付きの住居です。二つの間を繋ぐように長く伸びる縁側は、みんなの憩いの場。枯山水を彷彿とさせるシンプルな庭に、等間隔で並ぶ細い黒の柱がアクセントを添えています。大人数だからこそ楽しめるような、ゆったりとした空間計画が光ります。

モダンな縁側

縁側は日本家屋独特なもの。特に現代の住宅には取り入れにくい。そう感じている方はいませんか?少し考え方を柔軟にしてみれば、ウッドデッキだって縁側のようなものです。外部空間でも内部空間でもない、曖昧な領域。そこに人々が集い、くつろぎ、自然の風を感じることができれば、そこはもう縁側と考えても差し支えないでしょう。こちらは。大きなガラス扉を開け放てば外と内とが一体となり、ぐるりと巡らされた縁側部分では季節の移り変わりを楽しむことができます。これから海外の建築にも、日本が誇る伝統「エンガワ」が取り入れられるようになるかもしれませんね。

カフェスタイルの縁側

H's HOUSE, dwarf dwarf 露臺

こちらも洋風な戸建住宅に取り付けられた縁側のご紹介です。新潟県を中心に活躍するDWARFが手がけました。玄関扉から直接リビング方面へ導く縁側が、ゲストをあたたかく迎え入れます。カフェのような居心地の良い空間で、ちょっと玄関先で世間話をしようと立ち寄ったご近所さんもついつい長居してしまいそう。アイディア次第で和にも洋にも取り入れられる縁側は、人との繋がりを結んでくれます。

より上質の生活へ

高知県を中心に活躍するキリコ設計事務所が手がけたこちらの住宅。和でまとめたLDKの周りには、ぐるりと濡れ縁が取り付けられました。畳部分が一段高くなっているため、キッチンに立つ奥様とも、縁側でくつろぐお客様とも、目線を合わせて会話を楽しむことができます。太平洋を眼下に見下ろす見晴らし抜群のこの敷地。縁側に座って、海を眺めながら晩酌なんて、最高ですね。

【縁側については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 縁側とは?その魅力とタイプ別デザイン集 

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