庭と言えば、多くの人が家の前にあるものを思い出すでしょう。ですが最近では家の内側に庭を設ける中庭が見られるようになりました。今回紹介したいのもそんな中庭のある家です。それを手がけたのは内田建築デザイン事務所。建てられた「センターコートの家」では、中庭を設けることで快適な生活を可能にしています。ここでは中庭を設けるメリットを考えながら、家について紹介したいと思います。
今回家が建てられたのは岡山の住宅地。家は木造平屋建ての建物として建てられました。その外観で大きな特徴となるのは木の外壁と窓の少なさ。外壁は明るい茶色の木の板で覆われており、ナチュラルな印象を与えてくれます。そんな外壁の上にあるのは僅かな窓。そのため家の中の様子をうかがうことはできません。もちろん外観だけでは家の中には庭があり、それによって快適な生活が可能になっているとはわからないでしょう。
中庭があるのは家の中心部です。それは建物の中にありますが、壁で取り囲まれているわけではありません。庭を囲うのは大きなガラス窓。そのため家の中からでも庭の様子がわかります。もちろん窓は開けることができるため、それを開けてしまえば庭と家を仕切るものはありません。そして庭がまるで家の一部のように感じられることでしょう。もちろん、それは普通の庭とは違った広がりを感じさせてくれます。
中庭に見えるのは芝生で覆われた空間と植えられた木々です。都市の生活では自然を感じることは決して簡単ではありません。公園が少なく森や林などが近くにないことは一般的でしょう。そんな都市での生活に中庭は自然を感じさせてくれます。ガラス窓越しに見える中庭は日常生活で最も身近な自然となります。もちろん部屋の一部のように緑があるため、ここでは殺伐とした空間で生活を送る必要はないのです。
都市での生活では隣家が目の前に迫り、近くに人通りの多い通りや駐車場があることは珍しくないでしょう。そんな敷地に庭を造ると、そこから家の中を見せてしまうことになります。ですが中庭は内部を見せることはありません。そんな機能を活かして本住宅で考えられたのは中庭に面するバスルーム。ここでは外から見られることがないため、庭の緑を楽しみながら露天風呂のように湯船に浸かることができるのです。
中庭は部屋の一部のようになりますが、普通の部屋と大きな違いがあります。それは屋根が無いこと。そのため太陽の光が射し込み、また風が吹き込みます。そんな光や風は中庭以外でも楽しむことができます。中庭を囲むガラス窓は、太陽の暖かな光を家の中へともたらします。そして窓を開ければ、外からの風を取り込むことができます。ここでは明るく風通しの良い家で生活を楽しむことができるでしょう。
中庭は生活に様々なものをもたらしてくれます。その中で忘れていけないのは開放感。中庭では自然が身近に感じられ、そして屋外空間を部屋の一部のようにも感じさえてくれます。もちろん家の中に光や風をもたらすため快適な空間を演出してくれます。そのため家にいても屋外にいるような解放感を感じることができるでしょう。このように本住宅では中庭の持つ機能を活かして心地良い生活を可能にしているのです。
【中庭については、こちらの記事でも紹介しています】
▶homifyで建築家を探してみませんか?無料で使える募集ページで見つけましょう!◀
募集ページはこちら!